マネキンからナレーターへ、ナレーターからプレゼンターへ

そのうち、セリフを全部書くのではなく、ポイントだけメモに書いておくようになります。引っかからず、滑らかに伝えるための工夫です。そのうちメモも、スライド間の「つなぎ」のセリフだけになったりします。ここまでくればナレーターは卒業です。でもそれだけでは足りません。仮にも「プレゼンター」を自称するには、もう少々のインパクトが必要です。

初心者はウケを狙ってはいけない

初心者・初級者がしゃべり(トーク)でインパクトを与えようとすると、スベる危険性が高いので、他のものに頼りましょう。事前に準備できて頼れるのは、プレゼンテーションソフト(「パワーポイント」など)です。その機能を存分に使いこなしましょう。メリハリをつけるために、「色」「アニメーション」「トランジション」などが有用です。そして、そのコツは「絞る」ことと「統一する」こと。

『ゼロからのプレゼンテーション』三谷宏治著 プレジデント社

BCGに入った頃、上司には「なるべく色は使うな」と言われました。スライドは白黒でいいと言うのです。確かに書籍だって大抵は白黒です。そっちのほうがむしろ上質感や高級感があったりします。でもあるとき、プレゼンテーション前に1日時間があったので、スライドに色をつけてみました。クライアント企業を示す部分(社名やグラフの線)には青、競合は赤に。使ったのはその2色だけ。そして、その配色を手持ちの20枚すべてでそろえました。それだけで驚くほどわかりやすくなりました。それからは統一感を重視して色をつけるようになりました。

アニメーションやトランジションも同じです。昔はビジネスプレゼンテーションでアニメーションは御法度でした。ちゃらい、というわけです。でもこれも、動きの種類を絞って、統一的に使うなら有用だとわかりました。どこを話しているのかわかりますし、強調したいときだけ使う動きを決めておけば、それだけでメリハリがつけられます。
最後は自分自身の姿です。下手な動きはいりません。姿勢と気迫で勝負しましょう。まずは座らないこと、立ち続けること。ただし、よい姿勢で。

(漫画=フーモア)
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