政権与党時代の失敗や過ちを総括せよ
前原議員の一連の発言は、共産党との共闘への反発と受け取ることもできる。そうだとすれば、共産党との共闘という「脅し」をかければ、すぐに妥協する便利な集団だと見られるだけだ。都民ファーストを巡る蓮舫代表の付和雷同で散々振り回されたというのに、まったく懲りていない。「自分は振り回されない」とでも思っているのだろうか。少なくとも有権者は「振り回されている」とみているはずだ。
共産党との共闘にしてもそれはあくまでも選挙をめぐる戦術の一つであって、身も心も共産党と一緒になるわけではない。党が違う、理念や政策が異なるからこその共闘や連携や協力なのであって、要はその在り方や程度をどうするかの問題。実際に昨年の参院選で上手に連携出来た選挙区では勝っているのであるから、総論から是か否かで考えるのではなく、選挙運動の詳細な進め方を含めて、冷静に、選挙区ごとに具体的に検討していけばいいだけの話のように思うのだが、要はそれが出来なかったということだろう。(それがために、共産党や関連団体が動員した運動員の統制を取ることができず、戦略もなく動き回る運動員に振り回されて落選の憂き目をみるに至った候補者もいるようだ)
民進党の立て直しに必要なことは「何をやるか」をはっきりさせることだ。共産党との共闘にせよ、「日本ファーストの会」との連携にせよ、「誰とやるか」を決めるのは、理念や政策を固め直した後にすべきだ。そのためには旧民主系が政権与党時代の失敗や過ちを総括することが欠かせない。それがなければ、いつまでたっても他党に振り回される集団にしかならないだろう。
(写真=時事通信フォト)