半数以上が「公的介護保険制度の仕組みがわからない」

厚生労働省の「平成23(2011)年度 社会保障制度に関するアンケート調査結果」によれば、この地域包括支援センターを知っている人の割合は、40歳代で24.8%、50歳代で30.8%と約3割以下であるのが現状です。介護の相談が行える相談窓口を把握しておくことが重要だといえます。

【介護離職の防止策その2:介護保険・介護サービスの概要を理解しておく】

株式会社wiwiw(厚生労働省委託事業)の「平成26(2014)年度 仕事と介護の両立支援事業 社内アンケート(事前)」によれば、介護に関する具体的な負担として、次のような項目が上位に入りました。

「公的介護保険制度の仕組みがわからないこと」(53.3%)
「介護がいつまで続くかわからず、将来の見通しを立てにくいこと」(52.2%)
「仕事を辞めずに介護と仕事を両立するための仕組みがわからないこと」(44.7%)

これらのことから介護について知識が不足していることが負担を増やす原因になっていると想像できます。では、知識不足を解消するにはどうしたらいいでしょうか。和氣さんはこのように語ります。

▼介護の仕組みの基本をどのように知ればいいか?

「介護についてよくわからないことが、情報収集を困難にさせています。自治体のホームページから、『介護保険』をキーワードに探していくと、パンフレットがダウンロードできる地域もありますし、自治体の「介護保険取扱窓口」で無料配布をしている場合もあります。まずは、自治体発行の介護保険制度の冊子を手元に置いておき、介護保険・介護サービスの概要を知っておくこと、そのうえでインターネットや書籍(参考情報)活用して情報収集すると、相談窓口に行く前に相談内容を整理することに役立ちます」(和氣さん)

<参考情報>
▼web「ケアラーズ・コンシェル」(働く介護者のための便利シート無料ダウンロード可)
http://carers-concier.com/
▼web「認知症スタジアム」(介護者の会やイベント、書籍紹介サイト)
http://dementia.or.jp/
▼書籍『介護離職しない、させない』(和氣美枝著・毎日新聞出版)
▼書籍『ある日、突然始まる 後悔しないための介護ハンドブック』(阿久津美栄子著・ディスカヴァー・トゥエンティワン)
(出所:一般社団法人介護離職防止対策促進機構 和氣美枝氏 講演資料より抜粋)