産業がなければ街は維持できない。1993年、北海道・奥尻島は津波被害に襲われた。総額で763億円の復興事業が行われ、インフラは整ったが、人口減少には歯止めがかからなかった。現在、三陸地方は震災からの復興を進めている。大和総研主任研究員の鈴木文彦氏は「成長分野の雇用増を考えて、復興事業を進める必要がある」と指摘する――。
インフラ整備が先か、住民が先か
中心市街地の活性化にあたっておさえるべき前提として、第一に都市の人口、いわば街のキャパシティは産業構造によって決まること。第二に街のスタイルはその時代の主要交通手段で決まることをあげた。今回は第一の街のキャパシティについて述べる。都市の体裁を維持するためには人口減少のトレンドに歯止めをかけなければならない。
器が先か中身が先か。東京都心のベッドタウンなど都心に通勤する住民を誘致するために住宅地を造成したり、商業施設や子育て施設を充実したりすることはありえる。それ以外の地方都市においては必ずしもそうではない。街のキャパシティを増やせば人口も増えるというわけではない。直感的な理解に役立ちそうな事例として、復興まちづくりの先例から考えてみる。
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