今年、ビル・ゲイツ氏を抜き「世界一のお金持ち」となったウォーレン・バフェット氏。金融資産6兆円を超えるビッグ・マネーをいかにして築いたのか。氏に直接取材した筆者だけが知る「ビリオネアの秘密」を明らかにする。
ウォーレン・バフェットWarren Buffett
1930年、アメリカのネブラスカ州オマハ生まれ。株式投資家、経営者、慈善家。「オマハの賢人」とも呼ばれる。2008年、フォーブス誌の発表によると世界の長者番付1位となり、資産は620億ドル(6兆円超)。資産の8割以上を複数の慈善団体に寄付すると話しており、この金額はアメリカ史上最高のもの

ラスベガスで開かれていたハイテク見本市に出席中の米マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏にインタビューし、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏についてどう思うか聞いた。すると、次のような答えが返ってきた。

「チャレンジを好む私は不確実性が高い事業がはっきり言って好きですから、確実性を好むウォーレンとはなおさら腰を落ち着けて何百時間でも話をします。特に、何か難しい問題を抱え込んだときには、まずアドバイスを求めますね。ビジネスセンスは卓越していますから」

不確実性が高い時代に確実性が高いものを見抜く能力――。バフェット氏の神髄はここにあるとゲイツ氏は見ていた。

ゲイツ氏はバフェット氏と親友である。マイクロソフトを世界最強の企業へ成長させる過程で、バフェット氏に数々の助言を仰いできたようだ。そのゲイツ氏が、世界長者番付首位の座をバフェット氏に明け渡した。米フォーブス誌の2008年版長者番付で、13年間連続で首位だったゲイツ氏が三位へ転落した一方で、バフェット氏が首位に登場したのだ。

投資家になるための元手は、少年時代に新聞配達などで貯めた小遣い。米中西部の地方都市オマハで育ち、今もそこを離れずに巨富をなしたことから「オマハの賢人」と呼ばれる。自ら経営するバークシャー・ハザウェイ株が自己資産のほとんどを占め、その時価は620億ドル、円換算すると6兆円以上。これほどの富をどうやって築いたのだろうか。