「自民党都連を『敵』に見立て、政治的なエネルギーを高めていく手法はここまでだ。『挑戦者』として振る舞える期間は名実ともに終わった。首都を預かるトップとして、山積する課題を着実に解決していかなければならない」と小池都政への注文で終わってしまう。
読売社説も安倍政権の「慢心」に注文
次に読売新聞の社説(3日付)。これも「都議選自民大敗」「『安倍1強』の慢心を反省せよ」「小池氏支持勢力の責任は大きい」といった見出しで、安倍政権の驕りと緩みに反省を求めている。
正論ではあるが、読売自体もこれまでの「安倍政権擁護、御用新聞」といった過ちについて反省すべきではないか。
読売社説は「安倍首相は、今回の敗北を重く受け止め、政治姿勢を真剣に反省しなければなるまい。国民の信頼回復には、政権全体の態勢を本格的立て直す必要がある」「言葉で『低姿勢』を強調するだけでは済まされない。思惑や疑問には丁寧に説明し、重要政策で着実に結果を出すべきだ」と主張する。
国会で「読売新聞の記事を参考に読んでほしい」という趣旨の答弁までした安倍首相。朝日社説だけではなく、この読売社説にも感じるところが大きいだろう。
毎日、東京、日経、産経も似たり寄ったり
他の新聞の社説も見ていこう。まず毎日新聞は半本で、その見出しは「都議選で自民が歴史的惨敗」「おごりの代償と自覚せよ」だ。
社説の文中では「『加計学園』問題や『共謀罪』法の強引な裁決などで安倍政権への批判が強まる中、『小池都政』への評価以上に政権の今後を占う選挙として注目された」とわずかではあるが、今後の国政への影響に触れてはいる。
東京新聞は2本をひとつにまとめた社説だ。見出しは「大敗の自民」「『安倍政治』への怒りだ」と、「都民ファースト」「風で終わらせぬよう」である。割と分かりやすい社説だが、裏を返せば単純だともいえる。
日経新聞の社説も「安倍自民は歴史的惨敗の意味を考えよ」の見出し。産経新聞の社説も「小池勢力圧勝 都政改革の期待に応えよ」で、ともに半本の短い社説だった。
都議選がらみの記事でこの沙鴎一歩(筆者)が興味をもったのが、都議選当日の7月2日付の朝日新聞朝刊の「日曜に想う」である。この記事には「編集委員 曽我 豪」と書き手の名前がある。