「頑張っているのは知っているよ。本当に偉いね。ありがとう」
たとえば、こう夫に相談して、話し合いのテーブルにつかせるのだ。
「お互いが帰宅してから寝るまでの家事は◯◯、育児関係の仕事には△△がある。子どもを眠らせるのが21時ならば、逆算して20時半にはお風呂に入らせたい、それならばこの時間に食べさせたいので、食事作りはこの時刻からやりたい。付随する業務として寝かしつけのための絵本読み、子どもをパジャマに着替えさせ、歯磨きをさせる、洗濯機を回す、食器を洗う、翌朝のゴミ回収の準備が考えられる。このオペレーションを効率的にやるための分業プランは何だろう?」
もちろん育児ほど計画的にいかないものはないので、理想と現実には大きなギャップが
出るだろう。それでも夫の意識改革の第一歩に着手しなければ、いつまでたってもゼロ地点から前には進めない。
たとえば「21時以降は大人だけのくつろぎタイムにしよう」という共通目標があれば、「妻が子どもをお風呂に入れている間、夫はテレビタイムではなく食器洗いタイム」にして「定時運行を目指す!」ということもできるだろう。
育児には、都合のいいときだけ手伝う「子育てバイト」ではなく、フルタイムで子育てにかかわる「正社員」が必要だ。そのことを理解してもらい、お互いが主体的に動けるようになれれば、夫婦の溝がこれ以上広がることは避けられるはずだ。
長時間労働を強いられ、どうしても夫が子育てに時間を割けない、というケースもあるだろう。その場合、夫は、「ワンオペ育児で大変な思いをしている」という妻の気持ちを受け入れてほしい。
「頑張っていることはわかっているよ。本当に偉いね。ありがとう」と言ってあげるだけでもいい。この場合、解決策や分析は必要ない。夫婦に一番必要なのは「承認と共感」であるのだから。