投稿する写真には位置情報が埋め込まれている場合がある

特にカフェなど飲食店やホテルに設置されている公衆無線LANも注意が必要だ。

「利用時にパスワードを求められないようなWi-Fiの場合、その通信内容は近くにいる人からも傍受が可能です。自分がアクセスしているサイトのアドレスや、利用しているSNSのアカウントなどが流出する可能性があります。また、アクセスルータや接続しているパソコンの管理がずさんな場合、ウィルス感染の恐れもあります。トラブルに巻き込まれないためには、そもそもそのような信頼性の低いインターネット接続サービスは利用しないのが賢明です」(岡田氏)

最近利用者が増えているinstagramなど写真の投稿では、詳しい場所を伏せていることもあるだろう。だがSNSに投稿した写真に「位置情報」が記録されていると、これも情報漏洩のきっかけとなってしまう。

▼「SNSのセキュリティ機能を過信してはいけない」

最近は、投稿時に位置情報を削除してくれるSNSも増えている。実際、Instagramもフォトマップの機能を削除した。しかし、だからといってSNSのセキュリティ機能を過信してはいけない、と岡田氏は強調する。

スマホなどのGPS機能をオンにしたまま撮影すると……

「スマホなどのモバイル機器でGPS機能をオンにしたまま撮影し、その写真をブログやSNSに公開すると知られたくない情報が知られてしまう場合があります。写真画像データには位置情報が埋め込まれていることがあり、ITにちょっと詳しい人であればその写真をダウンロードするだけで、位置情報などを解析することができるのです」

そういう点も含めて冒頭の地方出張先での食事シーンを写真付きで能天気に発信するのは回避するのがベターなのだ。岡田氏によれば、出張先だけではなく自宅周辺の写真を不用意にSNSに公開すると、写真の背景などから自分が住むエリアがかなり細かく割り出されることもある。今後、SNSでは文章だけではなく写真の取り扱いにも注意が必要だ。

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