見た目が悪いと「減給ペナルティ」

しかし、これはあくまでひとつの調査結果にすぎない。実際のところはどうか。大手広告代理店・営業担当のA氏(38歳)はこう語る。

「多くのクライアントの経営層や管理職の方々とお会いするときに感じるのは、顔のよしあしではなく、総じてみなさん第一印象がいいこと。服装に清潔感があり、色・柄が垢抜けています。

顔の表情もいきいきしていて、ネガティブな印象を与えません。その一方、世間一般には、野暮ったい印象の人も少なくありません。見た目がルーズだったり、服や身だしなみに配慮が欠けていたりすると、『この人、大丈夫かな』と思ってしまいます。自分のことさえ気が回らない人は、仕事も……と不安になります。話し方と話す内容がよければ、まだ挽回の余地がありますが、それもイマイチだと、正直、その人と仕事の話はしたくないですね」

すべての人がこうした価値観とは限らないが、見た目の悪さで損して、それが仕事のパフォーマンスに悪影響を与える可能性は高い。結果、報酬面に響く。一種のペナルティとなる形だ。逆に、見た目がいい人はプレミアム(割り増し)がつき、得をする。チリツモで、その差が「4760万円」という“資産価値”になるのかもしれない。

蛇足ながら、1インチ(約2.54センチメートル)身長が高いと、イギリス人男性の場合、1時間当たりの賃金が2.2%高く、アメリカの白人男性だと1.8%高いという研究結果も残されている。

石川善樹
予防医学研究者。医学博士。瞑想(マインドフルネス)や食事、睡眠など最新科学をわかりやすく解説した最新著『疲れない脳をつくる生活習慣』(弊社刊)が大好評発売中。
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