東京大学大学院工学研究科の元橋一之教授は、「日本とカーシェアリング先進国である欧米では、メーカーのシェアリングに対する考え方が全く違う」という。「自動車産業にも所有から使用への流れが来ています。カーシェアリングは消費者が自動車を所有しなくなるということ。自動車メーカーにとって短期的に利益にはなりません。しかし、海外大手はその波を先に捉え、先行者利益を得ようとしています。たとえば、独メルセデスは“CASE”という戦略をとっています。CASEはコネクティビティ(接続性)、オートノマス(自動運転)、シェア(共有)、エレクトリック(電気)の頭文字。全資源をこの4つに当てはめてクルマづくりしているのです」。

米国発のUber、中国でもDidi Chuxing(滴滴出行)という配車アプリも勢力を拡大している。

パリ市民の足となっているAutolib。

「パリでは11年から始まったAutolib(オートリブ)という電気自動車のカーシェアリングが一般的です」。パリ市内には1000カ所以上のステーションが設置され、稼働している。充電コードを外すと利用開始、繋げると利用終了で、レンタカーより格安で乗り捨て可能というサービスだ。「これはパリ市がスマートシティを率先して進めようとした結果です。シェアリングの促進には自治体の全面的な後押しが欠かせません」(元橋教授)。

日本でカーシェアリングがさらに浸透するためには「土地不足」という課題を解決しなければならない。「結局、パリでシェアリングができるのも、車を停める駐車スペースがあるから。日本、特に都市部ではその場所が圧倒的に足りていない」。

日本でも自治体などの行政がリードし、駐車スペースを確保できれば、街中をシェアリングカーが走る日もやってくるかもしれない。