中国の兵法書『孫子』には、「兵は詭道なり」(始計篇)、「兵は詐を以って立つ」(軍争篇)と、二度も敵を欺くことを勧める記述がある。孫子によれば「諸外国の動向を察知していなければ、外交交渉を成功させることはできない。敵国の山川、森林、沼沢などの地形を知らなければ、軍を進撃させることはできない。作戦の基本行動は敵を欺くこと」である。

現在のビジネスリーダー向けの「孫子の兵法」本であれば、自分たちの競争状況などや商品の売り場を研究して、奇策を用いよということであろうが、かつて私は、文字通りの意味での「地形を用いた奇策」を実践したことがある。