ドトールとは「がんばる人の、がんばらない時間」

これに対抗してというか、すでに存在していた日本のカフェの雄は、ドトールコーヒー。店はこじんまりしていますが、狭いながらも楽しい我が家って感じで、苦になりません。立って飲む場合もありますが、立ち食いそばで慣れているオヤジは、至ってラクチン。コーヒー220円、カフェラテ250円の値段は特筆ものです。ここのラテはあらゆるコーヒーチェーンの中で一番旨いと思います。夏場のアイスコーヒーも絶品で、箱買いして事務所の来客コーヒーに使っていた時期もありました。食べ物もジャーマンドッグが220円って、2つ食べても、スタバのクラブハウスサンドより安いのが、これまた嬉しいです。

オヤジ観点から見ても、ドトールは非常にマッチします。なにしろドトールのキャッチコピーは「がんばる人の、がんばらない時間」ですから。ということは、まさしくオヤジ向けに作っているのでしょう。そう考えるとスタバは「オサレな人がくつろぐ、オサレ空間」と、理解すればいいのかも知れません。

そんな2大コーヒーチェーンの狭間で、陰日向に咲くような営業展開をしているのが、「カフェコロラド」です。何を隠そう、ドトールコーヒーが最初にフランチャイズ展開を手がけた業態で、同社の原点ともいうべき店なのです。1972年開業だから、日本のコーヒーチェーンのはしりでしょう。1980年代、中野区や渋谷区に住んでいたので、近所のコロラドを頻繁に利用させてもらっていました。

最近久々に、三軒茶屋のコロラドに行きましたが、昔通りのコーヒーの美味しさに感激ひとしおです。まず低くて広いテーブルが、妙に落ち着きます。スポーツ新聞なども読めて、いくらでもいて下さい感がたまりません。食事類も充実しているし、おやつも拡充、どら焼きがあったから食べましたが、これが結構コーヒーに合う。おやじ心を、巧みに掴んでいますなあ。

カフェコロラドは、同じ時期にオープンした名古屋の雄、「コメダ珈琲」に似ている部分もあります。コメダのほうが規模もでかいし、メニューも豊富ですが、くつろいでもらって、なんでもニーズに応える精神が似ているのです。

そう考えますと、現在のカフェ文化の流れは、こんな感じになっています。

(1)コロラド・ドトール連合の躍進
(2)スタバのセカンドウェーブカフェの隆盛
(3)漢字表記「珈琲店」の逆襲