電動ファンがもたらす清涼感に感激

翌日、「サンコーレアモノショップ」を運営するサンコーに問い合わせてみた。

「お客さまからは『自宅にいる間、ずっと着用しています。手放せません』といった声を頂戴しています。すでに在庫の7割以上が売れていますよ」と、広報部の﨏(えき)晋介氏。そんなにスゴイ商品なら試してみるしかない! と、さっそく商品を取り寄せてみることに。

2日後、商品が自宅に届く。箱の裏には中国語で説明が書かれていて、解読できた数少ない文字のなかに「98%」という文言を発見。きっと微粒子を98%カットする、ということなのだろう。

ただ、開封してみたところ、ネットで見たときに感じたほどのインパクトはなかった。それどころか、「これなら普段使いとしてイケるかも」とさえ思ってしまう。到着するまでにさんざん商品写真を眺めていたので、早くも見慣れてしまったのかもしれない。果たして周囲の人々はどう感じるだろう。そこで、「呼吸らくちんマスク」を装着して新宿駅周辺を歩いてみることにした。

とある平日。快晴。散歩日和である。

新宿駅西口前にある喫煙所付近で実際にマスクを装着してみる。製品自体の重量は88グラムと、一般的な繊維マスクに比べれば重さを感じるが、それも慣れが解消するレベルで負担を感じることはなかった。シリコンゴムが顔に密着し、隙間から外気が入ってくる気配もない。このままだと、ちょっと息苦しい。やはりファンを回さないとダメなのだろう。

ファンを回すと、清浄な空気がマスク内に送り込まれてきた。あぁ、空が青い。爽快だ。

風量調整は3段階。効果を確かめるため、徐々にファンの回転数を上げていく。まずは1段目。おぉ、浄化された外気がかすかに流れ込んできて、呼吸が楽になった。

続いて2段目。若干、ファンの回転音が上がったが、別にうるさくはないし、とくに違和感も覚えない。外気の流入量も増えて、階段をのぼったりしても息苦しくはない。

そして最大の3段目。外気がどんどんマスク内に供給されてくる。気のせいかもしれないが、マスク内に清浄な空気が充満しているような感覚だ。あぁ……これは清々しい。これまでに感じたことのないマスクの装着感だ。

音や震動は1段目と比べたら強くなっているのを感じるが、不快なものではない。デスクで仕事をしているときは1段目、外を歩くときは2段目、それでも息苦しさを感じたり、清涼感を味わったりしたいときには3段目、といった選択がハマるのではないだろうか。

それでは、周囲の反応はどうだろう。着用する姿が“マスク怪人”のためなのか、そもそもまったく気にならないのか、こちらが歩行者に目を配っても、誰も目を合わせてはくれず、スルーされることが多い。喫煙所周辺で人待ち風に立ち尽くし、“かまってちゃん”を演じたりもしてみたが、誰も意に介していない感じだった。イジられることはなくても、凝視くらいはと期待したが、ほぼ無反応。微かな孤独感に襲われた。まあ、こちらが想像するほど、周囲は他人のマスクなど気にしていない、ということなのかもしれない。

新宿西口前の喫煙所付近で試用。周囲は、ほぼ無反応。ちょっと淋しい。

ちなみにこの「呼吸らくちんマスク」、バッテリーを内蔵しておりUSBケーブル経由で充電を行う。2時間で満充電になり、最大4~5時間の連続運転が可能だ。価格は4980円(税込)。交換可能なフィルターはサイト上の説明によると「フィルターが汚れてきたり、空気が吸い込まれにくくなったなど感じたら、交換をおすすめします」なんて、わりとアバウト。こちらは680円(税込)だ。