SNS社会で活躍する窓際ビジネスマン

僕はFacebookなどのSNSを日常的に使っています。SNSにおける「発信」の魅力は、自分にとって都合の良いものだけ投稿すればいいというところです。ほとんどの人は、失敗したことや恥ずかしいことをわざわざ投稿しないと思います。うまくいったことや自慢したいことだけ発信していても、それ自体は「嘘」をついていることにはなりません。ただし、まぁなんというか、人生全体は美化されているわけです。なので、僕はFacebookのトップ画に、自分の投稿は見栄を張るために都合よく演出されたものであることを注意書きしています。SNSって、そういうものですよね。

そんなSNSの登場によって、あるビジネスマンたちにスポットが当てられるようになったのではないかと思っています。それは、大手企業・大企業で暗に「窓際」と呼ばれる人たちです。

たとえばFacebookなどは、起業家やフリーランス、政治家のような「個人の名前で仕事する人たち」にとって便利なビジネスツールになっています。ちょっとした「SNS社会」のようなものが形成されていて、たしかにそこから新しい仕事が生まれるようなこともありました。

ところが、大企業に就職していった友人たちの多くは、SNSをビジネスツールとして使っていません。ほとんどなにも更新されていなかったり、投稿があったとしても家族のことやプライベートなことばかりです。おそらく、仕事がSNS社会とはあまり関係のないところで完結しているのだと思います。仕事は会社が信用や実績で取ってくるわけだし、社内で役割や評価がきちんとつくられていきます。守秘義務のことなどもあるでしょうが、SNS社会の中で何かを頑張ってアピールする必要性がありません。

それにもかかわらず、大きな組織に属していながら、SNSで活発に自分の仕事に関する情報を発信したり、議論したり、共有したりしている人たちがいます。SNS社会でいきいきしている大手企業のビジネスマンの一部は、企業の「窓際族」と呼ばれる人たちなのではないかと僕は推測しているのです。