休みづらい雰囲気を醸し出す男性管理職の「腹の内」

▼有給休暇の取得を阻む要因2:休めるのに「休まない」男性管理職

上述の通り、日本は諸外国に比べて罪悪感を感じている人の割合が高く、有給休暇の消化率が低いです。しかし、意外なことに、「休み不足を感じている人」の割合が世界26カ国中で最も少ないのも日本であることが明らかになっています。

厚生労働省が算出した男女別の有給休暇の取得率を見ると、男性は44.7%、女性は53.3%であり、男性は、女性に比べて休暇を取得していないことが明らかになっています。特に、国内では、未だに旧態依然とした働き方が残っていることが問題となっていますが、そのボトルネックの1つとなっているのが、男性管理職の存在です。

日本総合研究所が東京圏に勤務する40~50代の男性管理職516人を対象に実施したアンケート調査によれば、男性管理職の約3割が「昇進のためには、夏季・冬季休暇以外に有給休暇を取得できないのは仕方がない」と回答しています。

昇進のために、夏季・冬季休暇以外の有給休暇を取得できない現状を許容しているマネジメント層が一定割合存在しているのです。

もちろんそうした男性管理職のなかには、業務量の多さや部下を優先的に休ませなければならないといった使命感から、休暇が取りたくても物理的に取れない不憫なケースも存在します。

しかし、その一方で有給休暇の取得が十分にできる環境にありながらも、休暇を取得しない男性管理職がいるのも事実です。

インタビューのなかでも、こんな意見が寄せられました。

「休みづらい雰囲気を醸し出している男性管理職が多くて、休みづらい」
「自分の職場とは異なり、配偶者の職場の男性管理職は、そもそも遊び上手で、休みを取るのが上手な人が多く、羨ましく感じている」
「男性管理職が率先して休暇を取得するということが、部下の休みやすさの前提となる」

 こうした意見は、これまでも幾度となく指摘されてきたことではあります。