ファミリー向けは周辺トラブルに注意

現在の民泊条例では宿泊期間の最少単位が7日となっているので、儲けを最優先するなら、できるだけ7日に近い短期の予約を優先して、宿泊スケジュールを埋めていくといいでしょう。

危険なのは周辺住民とのトラブルです。

トラブルが起きやすいファミリー向けマンションなどは、あらかじめ避けたほうが賢明だといえます。ホテルに泊まったときは、隣室の宿泊客が外国人でも気にならないのに、自分のマンションだと絶対にイヤだという人が日本にはまだまだ多いのです。その点、事務所や店舗が入っていて普段から人の出入りが多いマンションであれば、それほど問題にはなりません。

もうひとつ重要なのが部屋の清潔さ。ホテルや旅館ではないので、多少の生活感が出てしまうのは仕方ありませんが、それでも清潔であるというのは、お客さんを受け入れる最低条件です。Airbnbも部屋の清潔さに対するゲストの評価をかなり重視していて、5段階のうち3以下が続くとそのホストは、IDを返上しなくてはならないとされています。

初心者には英語の心配もあるでしょう。Airbnbでは、ゲストの使用言語を「英語」とすることが多いので、外国からのゲスト向けに英語のマニュアルを用意しておかなくてはなりません。ただ、これはお手本をもとにつくればいいので、さほど難しいものではありません。

Airbnbのサイト上に民泊用の部屋を掲載する際も英語を使いますが、こちらもネット上の「グーグル翻訳」の助けを借りれば事足りるレベルです。英語については、あまり心配しなくてもいいでしょう。

このように、民泊にはいろいろ面倒な側面もありますが、需要は右肩上がりで、国も規制緩和やルールづくりを急いでいるので、ビジネスチャンスはこれからどんどん広がっていくと思われます。興味がある人は、年末年始や桜の季節など、外国人観光客がこぞって日本を訪れるときを狙ってテストマーケティング的にやってみたらどうでしょうか。

川畑重盛

ポイントデバイス社長。全国で3500室のウイークリー・マンスリーマンションなどを運営する。Airbnbのホストでもあり、著書『ゼロから始める!「民泊ビジネス」の教科書』が話題。
 
(山口雅之=構成)
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