ナチュラル&シンプルなイメージ

こうした味のフレッシュさやリサイクル性の高さから、テトラ・リカルトには“ナチュラル&シンプル”というイメージが付加されているようだ。ある大手スープメーカーなどでは、普通の商品には缶を使用し、オーガニックなど高付加価値の商品に紙容器を使用するという具合に、使い分けをしているという。

「そのほかスポーツをする人などは、自然環境への関心も高い。ダイエットやトレーニングをしている人向けの食品なども、市場の一つとして考えられます」(坂尾氏)。

日本で販売されている、テトラ・リカルトを使った商品。海外の工場で作られて日本に輸入されている。

テトラパック・グループの調査によると、近年、消費者の関心が高まっているキーワードとして「人とのつながり、健康、食品の安心、体験、シンプルな生活、環境」の6つが浮かび上がっているそうだ。

「いずれも、テトラ・リカルトの持つメリットに関係があります。社会全体に、テトラ・リカルトが受け入れられる下地ができてきたということであり、市場としての可能性は非常に大きいと感じています」(坂尾氏)。

日本への本格導入に向けての準備は始まったばかりで、テトラ・リカルト入りの商品が店頭に並ぶのは早くて2018年だという。まずは営業先の食品メーカーや製造会社に、充填ラインを導入してもらう必要があるためだ。

いずれにせよ坂尾氏からの説明にもあるように、飲料、食品素材、調理済み食品、またペットフードなどと、想定される市場は非常に幅広い。トータルコスト低減やイメージ訴求力のほか、環境に関わるメリットを企業や消費者にうまく伝えることができれば、注目度は高まるのではないだろうか。

テトラ・リカルトが日本でも普及すれば、紙部分をリサイクルできるようになる。写真は日本テトラパック本社で使われている、紙容器をリサイクルして作ったデザイン家具の例。
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