いいサービスを受けたら、その上司に礼状を出す
「僕を採用してくれた営業所長というのが、関西弁でお笑い芸人のような強烈なキャラなんです。その人をそのまま真似しようとしていたんですね。
復帰した僕を、営業所長は叱ることなく優しく迎えてくれました。『トークはちゃんと覚えてもらわんとあかんけど、俺になれっちゅうわけやないから。今から、福井ちゃんのキャラでトークしてみよか』と。
僕のモノマネ風に演じてくれまして、営業所長のキャラとは正反対の落ち着いた雰囲気なんですけど、お客さん役で聴いている僕にはズンズン響いてくるんですよ。
そのアドバイスに感激したのと同時に『自分のキャラで自然体でやればいいんだ』と、肩の力が抜けました。驚いたことに翌週から、すぐさま結果が出はじめたんです。営業所長からは『やればできるやないか!』と」
福井さんは、自身のことを「感激屋さん」だと言います。とにかくさまざまな場面で感激しては、その感激をいろいろな人に伝えたくなるようです。
「洋服などの販売員さんとか、タクシーの運転手さん、あるいはゴルフ場のキャディさんやカーディーラーの営業マンといった方たちから『自分が顧客の立場で気持ちのいい最高のサービスを受けたとき』には、もう居ても立ってもいられなくなってしまうんです。
そんなときは、すぐさま『素晴らしいサービスを受けました。ありがとうございます』というハガキを、社長や上司の方に宛てて出すようにしています。ご本人に出すよりも、『お客さまからこんなお褒めをいただいたよ』と上の人から伝えてもらったほうが、嬉しいと思いますから。
私としては『顧客サービスのヒント』をいただけた御礼という観点からのハガキであり、自分がもしお客さまからこんなハガキをもらったら単純に嬉しい、という理由でやっているんです」
※本連載は書籍『アメリカ本国を驚愕させたプルデンシャル生命の「売る力」2』からの抜粋です。