自民半減の衝撃!「誰が落ちるのか」

「都知事選と同時に行われた補選でも、小池都知事の元秘書・森口司は自民党候補に惨敗した。小池の人気が都議選まで続いたとして、投票結果に与える影響は限定的だ」

そう語るのは、自民党都連の事務方の幹部だ。小池批判を公にすれば大きな批判を受けるため、選挙を控えた都議会議員が口をつぐむ中、各メディアに盛んに対小池主戦論を唱え続けている。

これまでメディアに自身のスキャンダルを暴かれ続け、劣勢に回っていた都議会自民党もなんとか反転攻勢を仕掛けようとしている。議会における「質疑の事前通告なし」もその一つ。これを実施しているのは都議会自民党のみだ。

「質問を事前に通達しても、舛添要一知事時代のようには自分たちに有利な答弁を引き出せない、と考えた結果なのでしょう。突然答えに困るような質問を出して、知事のミスを誘おうとする戦略」と都議会関係者が語るとおりだろう。

今、都議会自民党の強硬論には裏付けがある。(1)小池人気が地元の選挙区での得票に直結しない。(2)一つの選挙区で複数の当選者が出る「中選挙区制」が、都議会議員選挙区の大半を占めるため、小池陣営が刺客を放っても、思い通りにひっくり返すのは難しい。

これに加えて、小池都知事の人気に陰りが見えれば「勝機あり」というわけだ。つまり、この2つの課題をクリアしなければ、小池陣営の勝利が難しくなる。選挙区調査および世論調査などの実務に知見を持つ、渡瀬裕哉・早稲田大学招聘研究員は次のように語る。

「橋下徹さんが大阪市長に圧倒的な得票で当選しても、都構想の住民投票では負けてしまいました。小池陣営の候補者は、小池都知事の人気に頼ってはいけません」

そこで今回の選挙予測では、自民党が勝利した13年(予測1*)をもとに分析し、自民59議席、小池14議席、民進14議席、公明24議席、共産16議席という結果になった。予測3*は自民党が大敗した09年をもとに分析し、自民30議席、小池43議席、民進9議席、公明23議席、共産16議席である。予測2*はその中間値であり、自民43議席、小池29議席、民進13議席、公明24議席、共産16議席となった。

小池陣営の「目玉候補」は現時点で不明だが、報道等で名前があがった塾生、特別秘書などを経歴と照らし合わせて配置している。(*候補者リストは文末)