「ポスト・グローバル」でも日本は再浮上する

イギリスのEU離脱、トランプ大統領就任など国際情勢が目まぐるしく動いています。そして世界はいま、ポスト・グローバルの時代に入ったようです。私は、グローバル化の前が国際化(インターナショナリズム)だったと考えています。今後は、両者のハイブリッドのような形態に移行していくと思われます。

人材ニーズという観点からすると、この10年間、すなわちグローバル化の時代に求められる人材の能力、要件は、海外の駐在経験だけではなく、地球的規模での情勢分析能力と創造的な思考力でした。これからは、それらに加えて、相手国との人間関係の構築力が改めて重要度が増していくはずです。

そうすると、再び駐在経験が重みを持ってきます。ある意味では、国際化時代に逆戻りするわけですが、その際のコミュニケーション力は、国際化とグローバル化の時代に求められた要件の両方を満たす必要があります。つまり、より高度なスキルが求められます。

ここで改めて、国際化とグローバル化の違いに触れておきます。前者は付き合い方の単位が国対国です。それに対して、後者は国対複数国。すなわち地球規模のスケールになりました。それを日本に当てはめれば、日本対アメリカ、ロシア中国だったものが、日本対欧米あるいは世界各国という関係になっていったのです。

グローバル化の時代には、東京や大阪に本社を置く大企業だけでなく、地方からもダイレクトに海外に出ていくということが当たり前でした。ところが、ポスト・グローバルになってくると、以前のように、1つの相手国に対して人脈を持っているか、持っていないかがより重要になってきます。その点では人材層の厚い、そして相手国との人脈を持つ大企業が有利かもしれません。

そこで考えてほしいのは、新たなコミュニケーション力を生み出す人材の基本的な資質ということです。ポスト・グローバルの時代では、フェイス・トゥ・フェイスの親密度によって物事が動いていくでしょう。そして、その人間関係の構築こそ、日本人が得意とする分野にほかなりません。昔の商社マンは、まさにそれで海外に橋頭保を築いてきました。