「実験ノート」不要ロボ創薬への期待
「同じ作業を均一に繰り返す作業は、人間よりもロボットのほうが得意。タッチパネルで薬液の量や培養の手順をフローチャートのように指定すれば、それがそのまま実験ノートにもなるというメリットもあります」(安川電機常務執行役員 南 善勝氏)
このバイオメディカル分野での実証的な成果を、いずれは中小企業の工場にも応用したい、という思惑が同社にはある。
「現在の産業用ロボットの導入には、機器の設定やメンテナンスに知識とコストがかかる点に課題が残る。工場の現場で必要な作業を三次元のビジュアルで簡単に入力できるようになれば、より普及が進むはずです。労働人口の減少に対して80点の答えを用意しながら、同時に100点を見据えていく。今は完全自動化への壁をクリアする端境期だと考えています」
(永井 浩、森本真哉=撮影(人物)AFLO=写真)