[居酒屋]犀門

――酒呑み泣かせのつまみが白眉! 新宿を愛する演劇人たちが集う店

●「新宿に5店舗ある系列店で、最初にできた池林房にはつかこうへい事務所にいた頃から通っていました。ここは一番新しい店ですが、とはいっても20年以上経ちます。重厚な造りで隠れ家的。でも知り合いも多くてあまり隠れられないんですが(笑)」

●東京都新宿区新宿3-36-15内野ビル4F TEL.03-5379-2031 営業時間/17:00~01:00(LO) 日曜休 カード可 全75席

オーナーの太田篤哉氏は自ら小劇場を持つほどの芝居好きで、店には演劇や文学、映画関係の常連客も多い。椎名誠さんもそのひとり。新宿には珍しく客層は50~60代中心で、40代はまだまだ若いほうだとか。

1.みょうがとおくらとろろを添えた冷やし茄子(740円)。ジュンサイ、うに、長芋の土佐酢ジュレ(780円)。あっさりとした夏の味で生ビール(600円)がすすむ。
 2.岩手県産岩中豚のロースト(1400円)。歯ごたえしっかり、脂味ほどほど。2週間に一度供される人気メニューだ。
 3.自家製の莫久来(630円)は、あかほやの塩辛とこのわた。酒呑みにはたまらない絶妙な塩辛さだ。材料は北海道知床の斜里から送られてくる。10月頃からは同地直送の新鮮な鮭が食べられる。
 4.中華料理店で修業したシェフ自慢のチャーハン(890円)。具は日替わりで、今日はジャコとししとう。山盛りで供されるところに店の心意気を感じる。

[和食]匠料理 いなば

――伊豆下田直送、トレトレの金目鯛を多彩にアレンジ

●「素材を生かしたさっぱり味が楽しめる。事務所の近くにあって、でもちょっと大人っぽいお店なので居酒屋のようにはふらっとは寄れないんです。打ち合わせやお客様がいるときによく利用させてもらってます」

●東京都渋谷区富ヶ谷1-2-13高松DCビルB1 TEL.03-5465-1342 営業時間/11:30~14:00(LO)、17:00~22:30(LO) 日曜休 カード可 全24席

1.店の自慢は伊豆下田直送の金目鯛料理。前菜(600円)は、ピンク色に染まった蒸した金目鯛、松茸、エビ、銀杏、だつ(えびいもの茎)、西瓜などで彩ったオードブル。
 2.造り三点盛り(1600円)は、金目鯛、鯵、大トロの刺身。味、歯ごたえ、脂の乗り具合は三者三様でそれぞれの個性を楽しめる。
 3.冬瓜と金目鯛・鮑の冷やし煮物(1200円)。8時間煮込んだ鮑は軟らかすぎず硬すぎずの絶妙な歯ざわり。冬瓜にしっかり染みこんだ出汁とともに涼を感じさせてくれる。
 4.蒸した金目鯛と蕎麦芽を和えたサラダ(600円)。金目鯛の皮表面にはゼラチン質がたっぷり。あっさりした蕎麦芽とよくあう。
金目鯛料理はほかにも、しゃぶしゃぶ(2100円)、煮付け(1890円)、塩焼き(1890円)、石焼き雑炊(1200円)などが揃う。金目鯛をたっぷり堪能できる「みつくろって」コース7500円のほか、お値打ち価格の「ドリンク飲み放題3時間、みんなでワイワイ★4800円コース」も人気。ボリューム満点のランチは1000円から。

(構成・文=小檜山 想 撮影=馬場敬子)