衰えた身を支えつつ、田舎で暮らす老親は、物理的には紛れもない「弱者」。現役時の稼ぎをしこたま蓄える彼らは、犯罪者たちの格好の標的になっている。

金庫の前に鍵を置きっ放し

高齢者が犯罪の餌食になる傾向が年々強まっている。それを裏付けるように、刑法犯被害における高齢者の割合は年々増加の一途だ。内閣府が毎年出している高齢者の刑法犯被害認知件数(高齢社会白書)では10年前の9.2%に対し、直近で13.4%。100人のうち13人が高齢者だ。

高齢者が巻き込まれる犯罪の最新の傾向を、捜査関係者はこう指摘する。

「2014年、前橋市で20代の男が金品目的で80代と90代のお年寄りを連続して包丁やバールで襲い殺害した事件は、明らかに抵抗力の弱い高齢者だけをターゲットにした犯罪だ。犯人は検挙され、検察は最弱者を狙う犯罪を重大視、死刑を求刑した」