飛行機が一瞬で都庁に突っ込んでくる
いよいよ国土交通省による危険な施策が始まろうとしている。2020年東京五輪開催に向けて、羽田空港の飛行経路として開放されていなかった都心上空ルートを解禁しようというのだ。
具体的には、図のように新宿都庁(243メートル)上空付近900メートル、渋谷ヒカリエ(182メートル)上空付近600メートル、港区の東京タワー(333メートル)上空付近500メートルを通過し、羽田に着陸するルート等を追加するという考えだ。なお、これらのルートには、首相官邸や皇居の付近も含まれる。
この件でもっとも懸念すべきは、安全保障上のリスクだ。これまでは千葉県山中や地方都市、東京湾上空のみだったものが、世界有数の人口を誇る都心上空を年4万便も飛ぶことになるのである。
第1に、近年増加の傾向にある航空機爆破テロの危険が挙げられる。荷物に爆弾を仕掛けられたり、自爆されたりしても、これまでは山中や東京湾に墜落するだけなので無駄死にでしかなかった。しかし、都心上空で人口密集地なり、ルートである都庁や防衛省付近で墜落させれば、相当な政治的・経済的ダメージになる。また、ルート付近には、テロとの戦いを国内外で激しく続けるフランス大使館もある。テロリストにとって魅力的なルートなのだ。
また、航空機爆破はありふれた手法であり、実行も容易だ。実際、2015年10月に起きたロシア機のエジプト上空での爆破テロ、04年の連続ロシア機爆破事件、02年の中国機放火墜落事件、06年のロンドン旅客機同時爆破テロ未遂、09年のデルタ航空機爆破テロ未遂と、枚挙に暇がない。