日本でも“異次元緩和”の先行きが心配だから実物資産の金を持っておきたい……と金投資をする人が増えている。

さらに、日銀黒田総裁の任期満了になる18年4月前の17年後半からは現在の金融緩和政策の「出口」が見えず、円安に転ずる可能性がある。1990年代のように140円、150円もあり得る。金価格はドル建てであり、日本で金を買うにはドル円相場の影響が大きい。1円の変動が国内金価格に40円の変動をもたらす。

金の現物を買うなら、「金貨」が手軽な価格帯で手に取りやすい。メープルリーフ金貨、カンガルー金貨などがあり、2分の1オンスの店頭小売価格は8万2000円前後(8月5日現在)。1枚ずつ売買できるのも魅力だ。

さらに手軽なのが、金価格に連動するETF(上場投資信託)を通じて金に投資する方法だ。株式と同様に証券会社を通じて売買でき、金価格が上がればETFの価格も上昇する。少額から投資でき、手数料も数百円程度と低い。

売買高が多い「SPDRゴールド・シェア」(東証1326)は、1口で1万3000円程度。「純金上場信託」(東証1540)は、一定の口数を保有すると金現物に転換(交換)することもできる。4300円程度から投資可能、1028口で1キログラムに転換できる(いずれも8月5日現在)。

毎月、月末に同じ額を投資するなど、時期を分散させながら投資し、安いときには臨時で買うのもいい。基本的なスタンスは、「バイ&フォゲット」。つまり、「買って忘れる」だ。資産の5~10%程度を資産の保全と考えて長期保有しておくものだが、予想外の高騰時にはいったん売却するのもいい。

(構成=高橋晴美)
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