セブン-イレブンが最重要視するドミナント戦略

都道府県別のシェア争いは、そのままドミナント戦略となる。ドミナント戦略とは、小売業がチェーン展開するときに、特定地域内に集中して店舗展開を行い、同一商圏内での占有率を上げることを指す。1店舗1店舗の“点”で商圏を考えるのではなく、“面”で商圏を考えることであり、これによってチェーン全体の売上を上げていくのだ。

セブン-イレブンが出店にあたり最重要視するのが、このドミナント戦略である。今回の沖縄出店について聞くと「全国制覇することにはそれほど重きを置いていない。ドミナント戦略のほうが重要で、その結果にすぎない」との回答だった。これは、セブン-イレブンが昔から掲げている方針であり、47都道府県出店完了が3社の中で最後になった理由でもある。

ドミナント戦略のもうひとつのポイントは、店舗運営の効率化だ。2018年に沖縄に進出した際には、短期間で300店舗の出店を目指すという(「セブンイレブン、沖縄に300店 2018年進出 一気にシェア獲得狙う」沖縄タイムス)。2015年10月に初出店した鳥取県が2016年7月末で10店だったことを思うとかなりの店舗数だ。これは、沖縄県が独立した島であるため、陸続きの他県より物流コストが上がってしまうことを考えての計画と思われる。