【白河】きちんと目標をたてていらっしゃるんですね。店長というのはだいたい何歳ぐらいでなるものなのでしょうか?

【高橋】30代から40代ですが、30代後半から40代前半が多いですね。

JTB 高橋広行社長
1979年日本交通公社(現JTB)入社。広島支店長、マーケティング戦略部長や取締役旅行事業本部長を歴任。2012年常務取締役JTB西日本社長。14年より現職。

【白河】そうなると、当然出産などのライフイベントと重なる年齢ですね。

【高橋】そうなんです。女性は色々な節目がありますからね。結婚、出産・育児、転勤など、この節目で人財が流出しないように、いかに定着させられるかということが、今大きな課題のひとつです。せっかく何年もかけて育成した社員がやめてしまうことは、会社にとっては大きな財産の喪失に等しい話ですから。

いわゆる産休・育休といった法律的な面は法定以上の制度を設け、環境を整えていますが、次に取り組むべきは夫の転勤という節目です。過去には仕組みもなく、辞めるパターンがほとんどだったのですが、今は夫の転勤先の地域にあるJTBグループの事業会社であらためて再雇用することができます。また一定期間、何らかの理由で仕事を離れる人には、社員として復帰できる「ライセンス」を出している会社もあります。

【白河】そのライセンスを持って退職して、また復帰できるということですね。

【高橋】一定期間職場を離れなければならない。しかし、社員でまた復帰をしたいという希望の社員がいたら、会社としては当然、意欲ある方はまた帰って来てほしい。会社での一定の審査は必要なんですが、ライセンスを出すことで7年間はいつでも復帰できます。

【白河】7年間は素晴らしいですね。海外転勤などにも対応できる。3年というのはきいたことがありますが。

【高橋】育児、介護なども、ある程度猶予期間があれば復帰できるのではないかと思います。また復帰するときの不安を払しょくするためにも、育休復職セミナーも行っています。