日本オリジナル商品も
「フライングタイガー」を運営するゼブラ社が誕生したのは1995年。日本では、2013年にサザビーリーグとの合併会社ゼブラジャパンを設立し、都心の路面店やファッションビル、広域型ショッピングセンターなどへの出店を重ねている。
一方、ヴィダル氏は「ザ・ボディショップ」や「テスコ」、「セインズベリー」といった欧州の大手小売店でキャリアを重ね、2015年1月に現職に就任。顧客と商品との距離が近い小売りのエキスパートならではの手腕をヨーロッパ以外のエリアでどう生かすか、そうした点でも注目を集める。
「実際に日本を訪れてみると、日本には日本の“商売”といった文化があることが分かります。たとえばバレンタイン・デーやホワイト・デーといったイベントや桜が咲く季節に合わせた商品展開などは目を見張るものがある。そうした国々に既存する素地にどう、私たちの商品を重ねていくかも重要です」(ヴィダル氏)
実際、国内の「フライングタイガー」では、日本オリジナルにカスタマイズされたものも。
「フェルトのコースターは本国では四角。それを、日本の器や鍋の形状に合わせて丸型のものを制作しました。手土産として人気のチョコチップクッキーは、実はこれも日本の市場に合わせて生産し、販売したもの。王冠を被った女王がデザインされた入れ物の缶もお洒落で『フライングタイガーらしい』と評判を呼び、瞬く間にヒット商品に。日本でのヒットを受けて、今ではヨーロッパの各店舗でも販売されているんですよ」(ヴィダル氏)
「デンマークのコンセプトを売りながら、感度の高い顧客からヒントを得ることが多い」とヴィダル氏が評する日本の市場。次回は、今後の展開や会社としての戦略についてさらに詳しく聞いてみたい。
ゼブラ(デンマーク)CEO
デンマーク出身。欧州小売大手テスコのバイヤー・マネージャー、英国2位のスーパーマーケット・セインズベリーのディレクター、ザ・ボディショップのマネージングディレクターを経て、2015年より現職。
フライングタイガーコペンハーゲン>> http://jp.flyingtiger.com/