“キラー・ファイバー”“静かな時限爆弾”と呼ばれ、人々から恐れられているのが「アスベスト」。アスベストを吸入するとアスベスト肺、アスベスト肺がん、悪性中皮腫など死に至る危険性のある病気に結びついてしまうからである。発症までには潜伏期間があり、短い人で約10年、長い人では30年以上。まさに“静かな時限爆弾”なのである。

そのアスベストとは石綿のこと。天然の鉱物繊維で極めて細かい。かつて理科の実験で用いられていた金網の中央の白い部分にアスベストが使われていた。

アスベストが原因で発症する悪性中皮腫は、がんの一種である。「悪性胸膜中皮腫」は、肺の周囲を覆っている胸膜という薄い膜にできるがんで、セロファンのように薄い膜が数ミリにも厚くなる。胸膜がぶ厚くなると肺を圧迫し始めるので、「胸の痛み」「息切れ」「発熱」などの症状が出て、呼吸は進行とともに厳しくなる。