社会人は、いつ、どのように学んでいるのか。アンケートをとったところ、「苦しいのは自分だけではない」と思わせてくれる結果がずらり。参考にしてほしい。
回答者の受験数は10回以上が最多
世の中にはさまざまな英語勉強法があるが、目的をTOEICの点数アップに絞ると、はたしてどのようなやり方が効果的なのか。それを探るべく、現在TOEIC勉強中の500人にアンケートを実施。実態を調べた。
アンケート協力者の最終学歴は、大卒(国内)が58.2%、大学院(国内)が20.0%で、ほとんどの人が受験英語を経験済みだった。注目したいのは、TOEICを受けた回数だ。未受験は4.4%で、1回だけは7.4%。つまりそれ以外の88.2%が複数回受験者。しかも、回数が半端ではない。受験回数が5回以上は61.4%、10回以上は34.8%に達していた。
気になるのは、複数回受けて点数が上がるかどうかだろう。複数回受験者に点数を聞いたところ、「伸びている」と答えた人は54.9%で半数を超えた。点数の伸び幅も大きい。平均最低スコアは490点で、平均最高スコアは698点。200点以上の差がある。
ただし、複数回受ければすぐ点数が上がると考えるのは早計だ。TOEIC専門塾「英語屋」講師で、満点の990点を40回以上取得している古澤弘美氏は次のように指摘する。「短時間の勉強で点数を大きく上げるのは難しい。受験回数より勉強時間が大事。社会人が仕事のかたわら200点アップを目指すなら、2~3年は覚悟すべき」。
アンケート結果もそれを裏付けている。勉強期間は、3年以上の人が68.2%。複数回受験者の点数が大幅に伸びているのも、長期にわたって勉強を積み重ねてきたからだろう。
一方、複数回受験者のうち、「点数が伸びていない」の回答は5.2%。これは何が原因だろうか。
「TOEICは点数の出方に波があり、同じ実力の人が受けても回によって50点前後の誤差が出ます。数回受けて点数が下がった人は、まず誤差の影響を疑うべき。ただ、何度受けても点数が伸びない人は、勉強法が間違っているのかも。自分に合ったやり方かどうか見直したほうがいいでしょう」