モンスターペアレントならぬ、モンスターティーチャーと呼ばれる人物がいる。いわゆる問題教師のことだ。
作家の内藤みかさんによれば、授業中に手を挙げているのにある特定の生徒だけ全く指さなかったり、生徒の成績が下がったら罰として1カ月間ずっとトイレ掃除させたり、夜遅くまで居残り学習させたり。
学校・教室という密室内ではプチ権力者と化した教師がそうした度を越した行いをすることは決して珍しいことではないという。
どう対処したらいいのだろうか。
「まず、クラスのほかのママ友に相談して、自分の子どもだけが冷たい仕打ちを受けているのか確認しましょう。もし、ほかのお子さんも被害にあっていたら、母親数人で学年主任など問題教師の上司にあたる人物に相談します」
公立学校なら管轄の教育委員会にもの申せば打開策が見つかることもあるだろうが、内藤さんによれば、「私立中学・高校は指導する公的機関がなく、学校が半ば“治外法権”のような状態になることもある」という。となると最終的には担任と直接対決ということになるが、その際、「電話の会話はできるだけ録音し、メールのやりとりも保存して証拠として残しておく必要があります」(内藤さん)。
一方、「大人力」シリーズの著書で知られるコラムニストの石原壮一郎さんは、最初からケンカ腰で担任に対することには反対の立場をとる。
「子どもが冷たくされているのは、忘れ物が多い、提出物をきちんと出さない、授業態度が悪い、など理由があるからかもしれません。だから、担任にはこう相談するのです。
『どうもウチの子にいたらないところがあるみたいで。どのあたりを修正したらよいですか? 家庭でもきちんと注意していきますので』。よくも悪くも教師は『自分に理がある』と信じています。その考えを真っ向から否定しても話はうまく進みません。やはり下手に出て探りを入れるべきだと思います。それに、そうやって相談することはある意味、教師への警告にもなります。納得のいかない回答なら黙っていないぞ、という親としての気概を伝えることにもなるはずです」