コスモエネルギーホールディングス(旧コスモ石油)の経営が漂流している。同社の森川桂造社長の悩みは深い。昨年、石油元売り業界ではJXホールディングスと東燃ゼネラル石油、出光興産と昭和シェル石油がそれぞれ経営統合を決めた。大手5社のうち4社が2グループに集約されるなか、コスモは取り残された。「再編に対して門戸は常に開いている」とコスモ首脳は語るが、その扉を叩く者はいない。「財務体質が悪すぎる。石油精製事業も弱い。合併してもメリットは出ない」(元売り幹部)。業界内での評価は厳しい。

コスモエネルギーホールディングス社長 森川桂造(AFLO=写真)

経営が傾いたきっかけは東日本大震災。主力の千葉製油所でガスタンクが爆発。翌2012年には一部復旧を果たしたものの、その後屋外タンクからのアスファルト流出事故が起きた。赤字続きで連結自己資本比率は昨年9月末で10.8%まで悪化、他の4社の20.4~25.7%と比べ、大きく見劣りする。

(AFLO=写真)
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