富裕層が多い中央区、港区の子は「頭も運動も上」
関連しているのは、住民の平均年収です。
濃い色のゾーンには、タワーマンションが林立する中央区、六本木ヒルズの港区など、富裕層が多い区が含まれています。横軸に平均世帯年収、縦軸に小4男子の体力成績をとった座標上に、都内23区を配置すると、図2のようになります。各区の平均世帯年収は、2013年の総務省『住宅土地統計調査』のデータから計算しました。
平均世帯年収が高い区ほど、子どもの体力が高い傾向にあります。相関係数は+0.7482で、1%水準で有意です。
学力と家庭の経済力がリンクしていることはよく知られていますが、体力もそうであることがうかがわれます。学力は、通塾の費用を負担できるか、落ち着いて勉強できる環境があるか、といった条件によるでしょう。体力も、幼少期よりスポーツクラブに通える子どもが有利になるのかもしれません。こちらも結構な費用がかかるそうですし。
サンマ(時間、空間、仲間)の減少により、子どもの外遊びが減っている(できなくなっている)といいます。東京のような大都市では、とくにそうです。子どもを狙った犯罪が多発しているので、児童だけでの外遊びを禁止している小学校もあると聞きます。こういう状況の中、子どもが体を動かす機会を人為的に用意できる家庭が有利になるということでしょうか。