国会議員の宣言で「育休取得」推進を目指す

「一億総活躍社会」「女性活躍推進法」を重点政策に掲げる安倍政権。2015(平成27)年3月に閣議決定された「少子化社会対策大綱」、および6月に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」において、2020年までに男性の育児休業取得率を13%とする目標が設定されている。平成26年度において、民間企業の男性の育児休業取得率は2.3%(一般職国家公務員は5.5%)。5年で約6倍アップを目指す計算だ。

宮崎謙介議員(右)と金子恵美議員。

「出生率向上には男性の育児参加が不可欠であり、一億総活躍社会の実現には女性の社会参加が必須です。男性の育児参加が遅々として進まず、育児を女性に押しつける風習を、私自身が変えていければと思いました」

そう語るのは、自民党の宮崎謙介衆院議員。15年、同僚の金子恵美衆院議員と結婚し、今年2月5日に第一子を出産した。金子議員が出産を終えて退院し、自宅に戻ったときから宮崎議員は金子議員の状況等を考え育休取得を予定している。国会議員は自営業者で、現在のところ育休制度はないが、あえて自ら宣言することで、育休を推進しようと考えた。

「2015年6月に妻の妊娠が判明し、医師から切迫流産の診断を受けました。少しでも動くと流産する危険性があると言われ、自宅で1カ月近く休んでいました。ベッドからほぼ動けず、私が料理、掃除、洗濯などの家事を担当し、できる限り、体調のすぐれない妻のそばに付き添っていました。

妻はつわりがひどく、はじめは食べられるものがほとんどありませんでした。そこで私は、何を、どんな料理法でなら食べられるのか、いろいろとつくっては試し、少しずつ食べられるものを見つけていきました。

その間も、妻の携帯電話には有権者の方々や地方議員の先生方、事務所スタッフからひっきりなしに連絡が入りました。夜中や早朝にあることも頻繁です。つわりに苦しみながら電話応対する妻をみて、『これは子供が生まれてからを想像するともっと大変だ』と思い、その頃からふたりで子供を育てるということを真剣に考えはじめました。

出産予定の2月は国会会期中であり、妻の故郷である新潟で出産することはできません。産後は育休を取って妻を支え、一緒に子育てをしたいと自然と思うようになりました」