実践3:自分の名前で仕事をさせて責任を持たせよ!

仕事を与えるのが最大のご褒美であることを踏まえ、同時に実践したいのが「自分の名前で仕事をさせる」こと。

「企画書にクレジットを入れるのはもちろん、誰のアイデアか、誰の意見か、誰が取り組んだ作業かを明確にするよう会社の仕組みとして制度化するのです。現在はそれが曖昧すぎるケースが多く、『上司が手柄を横取りした』『自分のアイデアが採用されたのに評価に反映されない』など、いらぬ不満を引き起こしているのです」(太田氏)

つまりこれは、社員の“やる気”を引き出すだけでなく、「なぜ自分は能力があるのに、あの後輩より地位が低いのだ」「なぜあれだけ仕事をしたのに、給料を下げられたのだ」という不満分子を、本来向かうべき方向へと成長させる方法としても有効というわけだ。

「高学歴社員や大企業に入社した人の中には、周囲の評価以上に『自分はできる』と思い込んでいる人が少なくありません。かつて学校の試験でいい成績をとれたことを、社会に出てからも引きずっているからです。つまりは自信過剰。そうした人に現実を知ってもらうには、『同じ条件で仕事をする機会を与える』ことです。自分の名前で仕事をさせ、もし周囲より力が及ばないと知れば、さすがに評価に納得するでしょう。なかには、そこから奮起できる人もいるはずで、一度自分の至らなさを認めた人であればこそ、大きな戦力となるはずです」(太田氏)