お祝い・お見舞い・お悔み

周年のお祝いや新社屋への引っ越しなどのお祝いは「謹んでお祝い申し上げます」とかしこまった言い回しになりがちですが、素直に「おめでとうございます」のほうが祝福の気持ちが伝わります。会社として正式にお祝いを述べるのであれば書面で送るべき。仕事相手にプライベートな祝い事があった場合は、「ご結婚されたと聞きました。おめでとうございます」と文末に書くのがベターです。

入院するといったメールが届いた場合も、形式的なフレーズより「早くよくなってください。また飲みに行きましょう」などのほうが気持ちは伝わります。

お悔やみは「ご冥福をお祈りします」「ご愁傷さまです」が一般的ですが、ビジネスメールには違和感があります。仕事相手にお悔やみをメールで伝えたいなら、用件の後に「ご不幸があったと聞いておりますが、お疲れが出ませんように」といったいたわりの言葉を添えるのが自然です。

▼COLUMN3:相手に「詳しくはこの添付記事を参照ください」はありか?

メールを送る際、詳細を書いた文書を添付するのは問題ありません。ただ、その場合メールの本文に概要を記すことは欠かせません。以前、作曲家の佐村河内守氏が音楽出版社の取締役に週刊文春の記事のコピーを添付して「ここに書いてあることは真実です」とメールしたとの報道がありましたが、これが本当なら、概要なしでただ添付の文書を読んでほしいとするのは問題ありです。まして、雑誌の記事コピーを添付するのはいささか乱暴であり、受け取った人の心象が良くないことは明らかです。

【お祝いのフレーズ】
◆御社◯周年おめでとうございます。

⇒周年行事などのお祝いのフレーズとして最もスタンダードな表現。
◆新社屋へのお引っ越し、謹んでお慶び申し上げます。
⇒取引先の社長など目上の人にお祝いを伝える場合に。硬い印象を与えることも。

【お見舞いのフレーズ】
◆早くよくなって、またお会いできるのを楽しみにしております。

⇒入院などでしばらく仕事から離れる相手に対しての励ましのフレーズ。

【お悔みのフレーズ】
◆ご不幸があったと聞いておりますが、お疲れが出ませんように。

⇒お悔やみと先方への気遣いを示したいときに。文末にさりげなく加える。

平野友朗
アイ・コミュニケーション代表取締役。一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事。
筑波大学人間学類(認知心理学専攻)卒業後、広告代理店勤務を経て現職。個人のメールスキル向上から組織のメールのルール策定、メール処理の効率化による業務改善などに取り組むかたわら、官公庁や企業、学校や団体からのオファーでコンサルティングや講演、研修も行う。
(上島寿子=構成)
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