素性がバレにくいアフィリエイター

「副業なのに年1000万円以上稼ぐアフィリエイター(アフィリエイトで収入を得る人)もいます。年100万、200万なら、地道にコツコツ続ければ到達できる人が少なくないですね」――なんとも驚くべき数字を教えてくれたのは福島宏和税理士だ。

もちろん、「全然儲からない」という人も多い世界だが、日本のアフィリエイトの市場規模は1000億円とも、その倍は見込めるともいわれている。これだけのお金が動くのであれば、当然、税務署も目を光らせるターゲットとなりそうだ。

ところが実際には、「利益が上がっても申告しないアフィリエイターはとても多く、税務署にバレずにすんでいるケースも多いようにみえます」という。なぜ、バレにくいのか。図のアフィリエイトで儲ける仕組みの一例に沿って見ていきたい。

図を拡大
年1000万円稼ぐ強者もいるアフィリエイトで儲ける仕組み

まず広告主が、「ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)」と呼ばれる、いわば広告代理店のような業者に広告を登録する。アフィリエイターはあらかじめ自分のホームページやブログを作っておき、ASPから提供された広告をそこに貼る。そして、アフィリエイターのサイトを訪れた消費者(ユーザー)が、広告をクリックして広告主のサイトへ誘導される。そこで商品やサービスの購入・申し込みをすると、成果報酬の形で収入を得られるわけだ。ほかに、クリック課金型などもある。

「そもそもアフィリエイターは自分の素性を明かさないので、そのサイトをどれだけ見ても、誰が運営しているのかはわかりません。また、もしASPが支払調書を税務署に提出していれば、アフィリエイターの稼ぎもバレやすいでしょうが、ASPにはその義務がないのです」