なぜ、20代がマイナンバー詐欺に引っかかるのか?

マイナンバーの各世帯への発送が、当初の予定より大幅に遅れている。

また、本人が希望していないにも関わらず、役所が誤って、マイナンバーが記載された住民票を交付してしまったり、郵便配達員がマイナンバーを別人宅に届けてしまったりするなどトラブルが連日、報道されている。そんな中、マイナンバー絡みの不審電話や詐欺も相次いでいる。

20代男性のもとに、「個人情報の不正流出」という携帯メールが届き、その文章の内容は「個人情報が漏えいしている。マイナンバーが漏えいすると、悪質な行動をする人が増える」というものだった。そして個人情報削除などの手続き費用として、プリペイド電子マネー50万円ほどを騙しとられている。

架空請求の典型的な手口である。マイナンバーという時事の言葉を駆使して、いかにも「本当の話」のように仕立てている。

架空請求は通常、不特定多数に「有料サイトの利用料金が未納です」といったメールを送り、その中から慌てて連絡をとってくる人をターゲットにして、「今日中に払わないと裁判にする」などと脅して、搾取する。

その際、ATMからの現金の振り込みではなく、コンビニでのプリペイドカードの購入を指示して、カードの識別番号を詐欺犯らにメールや電話などで伝えさせ、その金額分を騙しとるのだ。

詐欺犯は、相手がよくわかっていない「不安な部分」に付け入る傾向がある。マインナンバーの仕組みはまさにその不安な部分で、しかも、よくわかっていないのは高齢者ばかりではなく比較的若い世代も同じだ。だから、こうした被害が起きたと言えるだろう。