5. 医療費控除をオトクに使う方法

夫婦共働きのCさん(52歳)は、慢性疾患の持病があって、いつも年間の医療費は10万円を超えてしまう。去年も、自分の源泉徴収票を見ながらe-Taxで医療費控除の還付申告の手続きをしていたのだが、どうもうまくいかない。そこでふと、夫の所得で手続きをしてみたところ、還付金額が自分の場合の倍以上になるではないか!

なぜなら医療費控除で戻ってくる税金の額は、その人の所得税の税率によるからだ。所得税の税率は、所得に応じて5~40%まで(15年分以降は5~45%)。例えば、対象となる医療費が10万円であれば、所得税率が10%だとすると1万円。所得税率が20%だとすると、2倍の2万円が戻ってくる。

したがって、医療費控除を受けるときは、家族の中で、一番所得の多い人(つまり税率が高い人)がまとめて医療費を負担し、申告して適用を受けるのが有利となる。なお、医療費控除は、医療費が10万円を超えなければ対象にならないと思っている人も多いが、総所得が200万円以下で、医療費がその5%以上であれば適用を受けられる。所得150万円の人であれば、医療費が7万5000円以上かかればOKだ。

6. 医療費はカード払いにすべし

大学病院や大病院を中心に、最近は、クレジットカードが使える病院が増えてきた。カード払いができれば、多額の現金を持ち歩く必要がなく、ポイントも貯まる。ちなみに私の場合、乳房再建手術を受けており、その費用だけでも150万円以上かかっている(全額自己負担のため)。その支払いも当然カード払いにしたが、ポイント還元率1.5%のクレジットカードであれば、2万2500円分のポイントがつく計算だ。

また、自分の持っているカードの利用限度額が医療費に足りない場合、一時的に限度額を増やしてもらうこともできる。手続きはいたって簡単。カードの裏面に記載されているサポートセンターに電話をし、「○月×日に、XY病院で入院、手術を行う予定のため、利用限度額を増やしてほしい」とお願いするだけだ。早ければ数時間後に増額の可否の連絡がくるはずである。カード会社によっては、あらかじめ引き落とし口座に不足する分のお金を入金しておくことで、利用限度額を増額してくれる場合もある。