イエス・キリスト「裏切り者がいる」
しかし、私がもっとも許せないのは、タバコを途中でやめた裏切り者たちのことだ。キリストの最後の晩餐におけるユダのようなものだ。裏切りは万死に値する。私の見立てでは、そういう輩には共通点がある。
まず、タバコの銘柄をコロコロ変える人間だ。収入が増えたり、出世して立場が変わったりするにつれ、価格の安い「ゴールデンバット」「わかば」から「セブンスター」「ピース」になって、最後は葉巻を自慢げに吸うような連中は、コロッと禁煙してしまう。メンソールのタバコを好んで吸うヤツも怪しい。禁煙ファシストどもから、ちょっと強く言われたり、「こうしたら簡単にやめられるよぉ」「この禁煙本読んでみなぁー」という甘い誘いを受けたりすれば、すぐにタバコをやめるのだろうな。なんて意思の弱いヤツだ。君に信念はないのか。まったくないのだろう。
タバコ部屋で、会うたびに銘柄が変わっていたり、メンソールを吸っていたりするヤツに会ったら「この中に裏切り者がいる」とイエス・キリストのようにボソッとつぶやいてみるのがいい。裏切り者はドキッとするだろう。いい牽制になる。
私はずっとゴールデンバットだ。これからも裏切るようなことはしない。そんな私に対してJTはゴールデンバットを段階的に値上げするという卑劣な行動に出るという。
JTと財務省は庶民をいじめることばかり考えていないで、もっとタバコの売り上げを伸ばす方法を考えてもらいたい。例えば、キューバ産の葉巻が世界的なブランドになっているように、タバコも100%日本産をつくって輸出したらどうか。どんなに高価格でも海外(特に中国)で大ヒット間違いなしだ。
最後に私の家庭事情を告白したい。私が自宅で何度もタバコを吸いながら居眠りをしたせいで家を燃やしかけ、女房にカンカンに怒られ、室内での喫煙を禁じられてしまった。そのせいで喫煙をするにはベランダに出る必要がある。大雪や嵐の日には、70歳にならんとする私が命懸けでタバコを吸っている。ここまでしてタバコを愛する人間をJTは大切にすべきではないか。