亡くなる人は増えるが後継ぎは減る。社会の急速な変化にあわせて、介護、葬式、墓の常識は今、ここまで激変した!

【QUESTION】お寺と縁を切る離檀料、「お気持ちで」と言われたが相場は?

「死後満1年で行う一周忌の翌年に行う法要は三回忌、七回忌は満6年で、十三回忌は満12年で行うということを知らない人が増えています」

エンディングコンサルタントの佐々木悦子さんは、それを現実として受け止めるべきだと説明する。つまりそれだけ法事への関心が低くなっていて、ひいてはお寺との関係性が薄れている証左なのだ。

法要や墓参りを単に「手間や時間がかかってお金も取られる面倒なもの」と感じるようになれば、その面倒を排除したいというニーズも生まれてくる。葬儀の簡略化が進んでいるいま、それ以降に行われる法要も簡素化、縮小化する傾向にあるのも自然の流れといえるのかもしれない。

「三十三回忌や五十回忌で『弔い上げ』とする考え方も残ってはいますが、近年では七回忌や十三回忌、それどころか三回忌で年忌法要を打ち切ることすらあります」

寺と疎遠になる究極の形として、檀家ではなくなる、すなわち離檀するケースもある。改葬せざるをえないなど、檀家にもさまざまな事情があるからだ。とはいえ、寺としても「そうですか。では、どうぞ」とは簡単に承服できない事情がある。収入減に直結するからだ。

解決の糸口は“お金”すなわち「離檀料」に求めることになる。これがトラブルのもとになるわけだ。

「離檀料は、これまで先祖代々お世話になってきたお礼と考えれば、そのこと自体は多くの人が受け入れるでしょう。問題は金額です」

よくあるのが、お寺から「“お気持ち”でけっこうです」と言われるケース。これでは、いくらが適当なのか見当もつかない。寺の“言い値”の側面もある。

「200万円を請求され、裁判で争い20万円で決着した例もあります。数万円から給料1カ月分程度が妥当なラインとみられます」