100メートル先のコンビニに行くのを諦める――。車いすユーザーのそんな声をきっかけに電動車いす「WHILL」プロジェクトは始まりました。車いすは一般的にネガティブなイメージを抱かれがちです。でも考えてみればメガネだって、昔は目が悪い人だけが使うネガティブなものとして捉えられていました。それが今ではファッションアイテムになり、「グーグルグラス」のようなメガネ型の端末まで出ているわけです。だから車いすにしても便利でスマートであれば楽しくなり、極論すると、誰もが乗りたくなるはず。そのための手段として、車いすのデザイン性と機能性を高めることを考えていきました。

デザインした人 杉江 理(WHILL代表)

見た目の面では、とにかく乗り物に見えるようにしたかった。一般的な電動車いすは上部が椅子、下部がタイヤで構成されています。でも、室内で使ういすが動いていることは違和感につながりかねない。だからWHILLでは座席とタイヤにフォーカスが当たらないよう、それらの色をすべて黒にして目立たなくし、ハンドルアームにフォーカスが当たるようにしました。