スケジュールは子供自身に立てさせよう
吉田家では、家族旅行など親との調整が必要な予定を除いたタイムスケジュールは、すべて子供自身に考えさせている。
「TODOリストや、優先順位を決めるときに使っているスティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』で紹介されているマトリックスなどを組み合わせた、自作の『時間活用ワークシート』を使って、子供にスケジュールを決めさせています。子供も自分が決めたことなら、責任を持って取り組みます」
まるで秘書のように子供のスケジュール管理をする親がいるが、これではタイムマネジメント力は育たない。親から見たら、子供の立てたスケジュールは自由時間が多すぎるように思えても、そこは目をつぶろう。予定どおり課題が進んでいなければ、子供は自ら時間の使い方を工夫するようになっていくという。
とはいえ、子供なので放っておきっぱなしはまずい。
「親は1日の終わりに、子供が立てたスケジュールどおり課題が進んでいるかだけチェックしてやりましょう。その際、がんばっているところを見てやるのが大切です。できていないところは本人も気づいています。『親は自分が努力している姿を見ていてくれる』。そう感じられることが子供には最大の喜びで、『明日こそがんばろう』というエネルギーになります」
もう一つ、吉田さんが勧めるのは、親がタイムマネジメントに努める姿を見せることだ。
「『お父さんは、いまこういうことにチャレンジしようと思っているんだ。時間をつくるために、早起きしてがんばってみようかな』などと話してやるのです。親が完璧にできていなければ、子供にタイムマネジメントを教えられないわけではありません。お父さんもがんばっているんだとわかるだけで、子供の励みになるはずです」
人生で、子供と過ごせる時間は長いようでほんのわずかだ。素敵な夏休みにできるよう、親自身もいま一度、自分の時間の使い方を見直してみよう。
吉田さんがわが子にさせている「時間活用ワークシート」については、「プレジデントFamily夏号」で紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
国立保健医療科学院主任研究官。2008年に夫と3歳、1歳、生後1カ月の子供を連れてハーバード公衆衛生大学院入学。10年に大学院修了後、同大学院のリサーチ・フェローを経て、12年より現職。1男4女の母。