各社のトップ社員がダメ出しを受け、企画を練り直す
参加者が初めて顔を合わせたのは、5月9日、東京で開催されたキックオフイベントでのこと。その翌週の5月16日から2泊3日で美瑛でのセッション1が行われ、その後、6月のセッション2は東京で、セッション3、4、5は7~10月に美瑛町で、宿泊研修が行われました。
美瑛町で行われたセッション1では、チームごとにカレー作りをしてチームビルディング。その後、美瑛町の主な施設を視察し関係者の取材をする中で、美瑛町の課題について知り、各チームで解決すべき課題を見極めます。
東京で行われたセッション2では、地域課題解決の先行事例について学ぶとともに各チームがどんな課題をどう解決していこうとしているのかをプレゼンテーションし、フィードバックを受けます。セッション3では美瑛町で、実際に町長、50名の町民の方々を前に中間プレゼンテーション。厳しいコメント、ダメ出しを受けて、セッション4では提案のブラッシュアップ。
最終回のセッション5では、冒頭で紹介した最終プレゼンテーション発表会が行われ、最終日には5カ月の研修全体の振り返りを行いました。
グループワーク中心の研修ですが、毎回「トップスピーチ」として、ヤフー社長の宮坂学氏やインテリジェンス社長の高橋広敏氏、アサヒグループホールディングスの相談役の福地茂雄氏など、参加企業のトップがリーダーとしての経験、心構えについて、生で話をされる機会がありました。これには、企業トップに研修にコミットしていただくことで、研修参加者に「次世代リーダー」としての自覚を促すという意味もこめられています。
また、この研修は、いわゆる「プロの研修会社」を介在させず、カリキュラムづくりからファシリテーション、現場での弁当の手配まで開発、運営のすべてを、各社の人事担当者と企画監修担当の私とのコラボでつくり上げていったところも特徴の一つです。研修セッション終了後は各社担当者が集まって喧々囂々話しながらプログラムをつくっていきました。また、セッションごとに担当の幹事会社を替え、責任者としての緊張感を持たせたことで、人事担当者自身も実践的に研修開発を学べる研修となったように思います。