M&Aを成功させる3つのポイント
日本で「ファンド」というと、集めた資金を株価が上昇しそうな会社に投資して、リストラを行い、会社を売却することで利ざやを稼ぐイメージがあります。
しかしリバーサイドは、そうした手法をとりません。買収した会社の経営に直接携わって、リストラに頼らず、企業や経営者の潜在能力を引き出しています。
彼らはその手法をメンバーで共有し、実際の現場で応用するためのマネジメントの方法論を蓄積しています。それこそが、PMI(M&A後の経営統合)の具体的な手法です。
私はニューヨークのリバーサイド本社と、関連会社である東京のリバーサイド・パートナーズを数回にわたって訪れ、彼らの方法論について詳しく学ぶことができました。リバーサイド・パートナーズの代表パートナーである森時彦氏は、PMIにおける重要な要素として、具体的に次の3つをあげています。
(1) M&Aの段階で、お互いの相性が合うことを確認する。
(2) 現場の意識改革を実行する。
(3) 営業の質などの違いがあることを前提に、有効なシナジーを模索する。
また、M&Aの手順のなかには、それらをしっかり行っていなかったために、PMIの段階になって、経営にマイナスの影響を与える重要ないくつかのポイントがあります。
そのひとつが、譲渡企業に対するデューデリジェンス(買収監査)です。
デューデリジェンスでは、対象となる企業の資産価値や収益力、M&Aを行った際のリスクなどを経営、財務、法務、さらに業界の動向など、さまざまな観点から検討し、評価します。
PMIはデューデリジェンスから始まるという言い方をよく耳にしますが、それはこの段階で企業における収益性やリスクをどこまで把握できるかで、経営統合後のマネジメント戦略が大きく変わってくるからなのです。