保障は手厚いほど安心だが、保険料というコストがかかる。どの保険を選べば効率よく保障を手に入れることができるのか──。
数多くの商品があふれる中で最適の保険を選ぶのは至難の業だ。そこで保険のプロ23人に「おススメできる保険」「おススメできない保険」をピックアップしてもらった。実際に加入する際には、年齢や家族構成、ライフスタイルなどによってベスト保険は変わるが、ひとつの指針にはなるはずだ。

医療保険は病気やケガで治療が必要になった際に給付金を受け取れる保険。入院した日数に応じて支払われる「入院給付金」、手術を受けたときの「手術給付金」が保障の中心となる。1回の入院で受け取れる入院給付金の限度日数は60日型が主流。平均入院日数が32.8日(厚生労働省「患者調査」2011年)であることを考えれば、十分ともいえるが、脳血管疾患では平均入院日数が93日(同)であるなど、長期入院が必要になるケースもある。

そこで、登場しているのが7大生活習慣病の保障を手厚くした医療保険だ。7大生活習慣病とは、がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧症疾患、腎疾患、肝疾患(会社によって対象は異なる)のこと。

大差でトップとなったオリックス生命の「新CURE(キュア)」は、3大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)で入院した場合には、入院給付金の給付日数が無制限になり、それ以外の7大生活習慣病の際には2倍となるプランが可能。「手頃な保険料で手厚い保障があり、コストパフォーマンスが高い」(選者の一人・以下同)ことが評価された。「加入者が順調に増えている点も、長い保障を得る商品としては安心」という意見もあった。

2位のメットライフ生命「Flexi(フレキシイ)」は、14年9月に発売されたばかりの商品。「名前通り、保障設計の自由度が高い。保険料もリーズナブル」であることが特徴。入院、手術、先進医療などを基本保障とし、7大生活習慣病の入院給付金の支払い日数を無制限にする、退院後の通院で給付を受け取るなどの保障をオプションで付けることも可能。一方で、「24時間健康ダイヤルとセカンドオピニオン専門医の紹介状サービス(いずれもティーペック提供)が無料」であるなど、付加サービスが充実しているところも評価されている。

3位は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「新・健康のお守り」。ポイントのひとつは手術給付金。公的医療保険の対象である約1000種類の手術をカバーする商品が一般的だが、その場合の給付額は入院給付金日額の10倍または20倍が主流。「新・健康のお守り」では「手術内容に応じて入院給付金日額の10・20・40倍を給付」とする点が評価された。

医療保険にがん診断一時金やがん通院保障を付加できる商品も増え、1本の保険である程度、がんもカバーできる。