例えば、学生時代の友人や、取引先の担当者。「給料いくら?」と出し抜けに聞くことははばかれる。だが、グラフの3つのデータがざっくり頭に入っていたら、「名刺情報」で年収推定は可能だ。プレジデント編集部の実験では、その正解率はなんと約8割!
名刺交換をして、仕事の話をしながら、ふと思う。「この人、給料いくらかな?」。スーツも時計も靴も、高そうだ。高給なのだろうか。上場企業なら検索すればわかるだろうが、非上場企業や中小企業の場合、見当がつかない。推測のヒントになるのが、名刺だ。その人物がどんな業種に属しているか。まずは、そこに着目したい。
「高給の業種の相場を知っておくといいでしょうね。金融・保険業、金属機械(鉄鋼・自動車など)、化学工業(石油製品・液化天然ガスなど)、運輸・通信・公益事業(通信・電気・ガスなど)。逆に低いのは卸小売業などです」
とは、北見式賃金研究所長の北見昌朗氏。年齢別・業種別の年収グラフ(図1)で、およその額をつかめる。ただ問題は年齢だ。直接、相手の年を聞くのは失礼。外見で判断するより、雑談時などに「同い年の有名人」などを聞き出せば案外簡単に調べられるはずだ。
業種同様、企業の規模によっても給与を探ることができる。棒グラフ(図2)のように資本金の額によって歴然たる差が出ている。例えば、男性40代前半は、資本金2000万円未満の企業の人なら460万円だが、同10億円以上なら744万円だ。
「大手は50歳くらいまで給与が上がりますが、中小は40歳以降になると昇給が頭打ちになります」(北見氏)