さらに、相手の年収の見当を付ける決め手となりそうなのが名刺に記されている肩書だ。折れ線グラフ(図3)は、北見氏が調査した首都圏の中小企業の役員、管理職、一般社員における年齢ごとの年収推移。
「肩書の有無による年収差は大きいですが(40代以降の管理職中位と一般男性の中位で比較すると、約200万円)、同じ肩書でも上位か中位か下位かによる差もかなり大きい」(北見氏)。一概に管理職だから高給とは言えないようだ。
では肩書格差は大企業ではどうだろうか。社会経済性本部の調査(2008年発表)によれば、同じ部長でも、1000人以上の企業の月給は、100人未満の企業のそれに比べ1.38倍。課長で1.37倍、係長で1.28倍、一般職で1.08倍だった。肩書が大きくなるほど給与差も広がるのだ。
昨今、グローバル企業であるほど、給与に占める役割給(主に賞与に反映)の割合が増えており、よりポスト(肩書)の持つ意味も大きくなる。となると、年収の推定には、相手の仕事能力・人望力だけでなく、直近の実績や勢いなども確かめる必要がありそうだ。
仕事の付き合いが深まれば年賀状などを送り合うこともある。不動産情報サービスのアトラクターズ・ラボでは、HP上で登録(無料)すると、住所やマンション名、部屋番号から、その分譲物件の価格を算出してくれる(首都圏の1都3県の一部物件)。その価格から、逆におおよその年収を割り出すことも可能かもしれない。
(1)社名……どんな業種か?大企業か中小企業か?グローバル企業か?
(2)部署……花形か窓際か?
(3)肩書……管理職か平社員か?
(4)住所……立地のいい場所か?
▼ところで、OLさんのお給料は名刺でわかるか?
都内の新橋・丸の内・渋谷・新宿の4エリアで働く女性を対象にした調査によれば、最も年収が高かったのが丸の内。400万~600万円の女性は新宿エリアが40%で丸の内は38%だったが、勤務時間数は新宿の8~10時間が最も多く(58%)、丸の内のそれは6~8時間(44%)だった。つまり、丸の内OLが時間割賃金ナンバーワン。出会った女性の名刺に「丸の内」が記されていたら、高い「時給」を得ているというプライドをくすぐる対応をするといいかもしれません。