「ビジネス」ではなく「商い」

『面と向かっては聞きにくいイスラム教徒への99の大疑問』佐々木良昭著 プレジデント社刊

アラブに進出する日本の大手企業は、ODA(政府開発援助)がらみで官民一体となった案件の獲得にターゲットを絞っている。そのため、最近は、日本のビジネスマンがアラブに出向き、ハードネゴシエーションをして仕事をとってくるようなケースは稀である。

ただし、ODAの仕事に絡めない中小の商社やメーカーは生き延びるために、「タイヤ500本」「電気釜1000個」といった少ロットのビジネスをせざるを得ない。売り込み先は政府だけでなく、現地の零細企業や個人商店が対象となるため、そちらの世界ではハードネゴシエーションは健在だ。