コンビニでは「保存温度10度以下」と書かれたサンドイッチが棚晒しになっていますよね。賞味期限は1日半。その間、いつまでも色鮮やかなまま並んでいます。でも、手作りのサンドイッチはそんなに長持ちしません。改めて考えてみると、明らかに不自然。ちなみに「保存料無添加」や「合成着色料不使用」などと書かれた商品も大差ありません。合成着色料の代わりに「天然着色料」などを使っているからです。

添加物満載のレトルト食品!「週1回以上利用」が約半数
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添加物満載のレトルト食品!「週1回以上利用」が約半数

また、カップラーメンには、成人男性の1日の許容量に相当する塩分と30グラム以上の脂が入っています。ところが食品添加物が五感をごまかすため、とても美味しく感じます。添加物とエキスを使ったカップラーメンは、非常に安価なうえ、手軽で長持ちします。便利さの代償として、塩と脂と食品添加物を過剰に摂取しているわけです。

私は、10年間、食品添加物の専門商社でセールスマンとして働いた経験があります。廃棄寸前の端肉に得体の知れない白い粉をどばどば入れて、ハンバーグやミートボールを作る現場に立ち会ってきました。そのミートボールが食卓に出たとき、自分の娘には絶対に食べさせたくない、と強く感じて会社を辞めました。それからは、消費者に調理済み食品や外食の「裏側」を知らせています。「裏側」を知ると、誰もが「知らない物を口にするのは、怖い」といいます。

「怖い」という感覚は、大切な判断材料です。私は、食品添加物の便利さを享受するなかで、日本人は「怖さ」や「不自然さ」をあえて無視し、見て見ぬふりをしてきたと感じるのです。現代の都市生活で食品添加物を一切摂らないで生活を送るのは、難しいとは思います。しかし、食の安全性を確認しきれない現状では、一人一人が「不自然」な食べ物を「怖い」と思う感覚を取り戻すことが重要です。

そして何より考えなくてはいけないのは、子どもたちは食べる物を選べないということです。大切な家族に食べさせられるものかどうか。これが安全な食を見分ける決め手になると思うんですよ。

(山川 徹=構成 尾崎三朗=撮影)